顎関節症と人体の可動性の概要
渡辺東洋医学研究所
1.人体の可動性と機能低下
人体を構成する細胞や組織、器官、臓器は、固有のリズミカルな運動をしている(気が流れている)。その可動性が低下すると、細胞や組織、器官、臓器の機能低下が起こるが、東洋医学的な治療で、可動性が上がると、機能低下が改善する(仮説)。一般に知られている臓器の運動としては、腸の蠕動運動がある。腸の蠕動運動が低下すると、腸の機能低下により便秘などの問題が起こり、蠕動運動が不全になると、腸閉塞など重篤な症状が起こることが多い。
医学的には、腸の他に、胃、食道、尿管などが蠕動運動をしていることが知られている。皮膚や筋肉、骨なども同様にモワモワとリズミカルな運動をしているが、運動が微弱で、感知できる人が少ないため、医学的には認められていない国が多い。
しかし、アメリカでは、頭蓋骨や仙骨の微弱な運動を触診しながら治療を行うオステオパシーと呼ばれる治療法が正規の医療として確立し、全米に20を超えるオステオパシー大学がある。
2.顎関節症と顎関節、上顎、下顎の可動性
頭蓋骨や顎関節も正常な状態では、モワモワとリズミカルに動いている。しかし、顎関節症になった人や自律神経失調症の人の顎関節は、この運動が部分的に止まっている。上顎や下顎の運動も極めて微弱になり、この運動が広範囲にわたってに止まってしまっている場合もある。めまいや耳鳴り、吐き気などがある症例では、耳の周辺の頭蓋骨や顎関節の可動性が低下しているケースが多く、東洋医学的な治療で、耳周辺の頭蓋骨や顎関節の可動性を上げると、症状が改善する場合が多い。耳の周辺の頭蓋骨や顎関節の可動性の低下に伴い内耳の可動性の低下が起こり、機能低下が生じたものと思われる。
上顎の可動性が低下し、顎関節の耳側の部分の可動性および耳周辺の頭蓋骨の可動性がほぼ失われている症例で、頸椎を緩めることで、顎関節及び上顎、下顎の可動性を上げると、頭痛、めまい、胸部の違和感、腰痛、動悸、視力の低下などの症状がその場で、著しく改善する例がある。
3.頸椎の治療による咬み合わせの変化
咬み合わせに違和感が生じている人の多くは、上顎や下顎が萎縮して硬くなり、(顎関節ではなく上顎や下顎自体の)可動性が低下している。頸椎を緩めると、上顎や下顎が緩み、咬み合せの問題が改善することが多い。
4.顎関節や顎の可動性の改善と随伴症状の変化
顎関節症に伴う頭痛や首、肩の凝り、耳鳴り、手足の冷えや痺れ、動悸、息切れ、多汗症、目眩、喉や胸の違和感、不定愁訴などの随伴症状は、上顎、下顎、顎関節の可動性が改善に伴って、(1)改善する、(2)変化がない、(3)悪化する、の3ケースがある。
随伴症状が改善しない場合や悪化した場合は、顎関節症の原因となる腎虚や脾虚、三焦虚などを治すことで、随伴症状が改善する場合が多い。
5.鍼灸師による顎関節症治療の可能性について
頸椎の7番と3番の治療は、5mwの赤色レーザーで治療可能であることを確認している。鍼での治療が可能と思われるが、確認していない。 (鍼灸師の方で、治療効果が確認できた場合、soodan@dream.comまでご連絡いただければ幸いである。)
顎関節症と人体の可動性 ホーム>1.顎関節症と人体の可動性の概要