平成のカラオケ健康法・八


 

●第八章  「玄米菜食」

2. 偽自然食
3. 肋骨が開く
4. 腰の骨が溶ける
5. オステオパシーの効果
6. 肋骨が横に広がる
7. 勁椎をいじる
8. 見違える程よくなる
9. カラオケの発声と姿勢
10. 発声と自律神経
11. 手の硬結を緩める
12. 足の硬結を緩める
13. 再びカテゴリー・ツー
14. 腰の硬結を取る
15. 若返りは可能か
16. ナチュレ卒業

 

 

 

●1.玄米菜食を始める●

 半断食は終わったが、硬結は体中に残っていたので、さらに玄米菜食を3ヶ月続け ることにした。朝晩はそば、うどん、玄米餅、粟餅を味噌汁にいれたものを食べ、昼は 蒼玄の松花堂弁当を昼に食べた。時間があるときは、蒼玄に食べに行き、忙しいときは ETS(私の経営する英会話教室)まで届けてもらった。配達は、お店が休みの日もしてくれた。昔から時々行っ ていた「ふたば屋」の手打ちうどんがおいしいので、頻繁に通った。お蕎麦やさんも、そばつゆに化学調味料を使わないところで食べるようにした。

 

●2.偽自然食●

 しかし、自然食と書いてあるからといって、必ずしもそのまま信用してはいけない と言うことが、玄米菜食を初めて2、3日後に分かった。私の生徒の一人がわざわざ買っ てきてくれた玄米せんべいを食べると、たちまちくしゃみと鼻水がでた。私はせんべい にアレルギーになっているのかと思って、試しに蒼玄で売っている大沢ジャパンの玄米せんべいを食べたが、何の反応も起きなかった。大沢ジャパンの製品は信用ができると 実感したが、値段が高いせいで、普通の自然食の店には置いてないのが不便だった。

 

●3.肋骨が開く●

 半断食が終わった後、玄米菜食を3ヶ月続けることにした。半断食5日目から肋骨が縦方向に開き始めた。
半断食から玄米菜食に移行しても、からだの変化するスピードは変わらなかった。毎日2、3対肋骨が縦方向に開いた。胸椎は12しかないのに肋骨は2週間近く開き続けた。肋骨は全部で24本しかないはずなのに30本以上開くという不思議なことが起こった。実際肋骨が開くと、開いた肋骨の間からもう一本肋骨が現れることがよくあった。

 後で分かったことだが、私の胸板は厚い硬結の中に肋骨があるような形になっていて、隣り合った肋骨が開くと、その間に残された硬結が肋骨のような形になって姿を現したのだ。肋骨や硬結は自律神経の流れがよくなると、柔らかく太くなって、形が変わるので、慣れないとなかなか判別が難しい。

 また開いた肋骨の一部が寝ている間に閉じてしまうということもあった。こんな状態が2週間以上も続き、新しい個所が開くと別の個所が閉じてしまうという限界に突き当たった。

 

●4.腰の骨が溶ける●

 肋骨が開くと、開いた肋骨の一本一本は硬結に包まれて、形が歪んでバナナのような形をしている。そこでその硬結を溶かし、肋骨が本来あるべき形に戻そうとする。初期の頃溶けた肋骨は、比較的素直な形をしていて、硬結も大量に溶けることがあった。

 そんなある時、私は腰の骨だと思っていたところが、溶け始めているのに気が付いた。そこに手をあてると、肋骨の溶けるのも加速し、腰の硬結も大量に溶けた。

 翌日教室で、ティーバッグの紅茶を飲むと、紅茶の味が変わってしまっていた。ティーバッグの焙じ茶の味は変わらなかった。

 頭を触ると頭蓋骨だと思っていたところが、熱くなって水飴のように溶けていた。頭頂骨の一部とこめかみの周りが主だった。腰の硬結は頭蓋骨の硬結とも連動していたのだ。

 女性が妊娠時につわりになるのは、この硬結のせいらしく、この話をしたとき「姿勢がよく、硬結がない女性は、つわりにならない」と渡辺先生は言っていた。

 

●5.オステオパシーの効果●

 半断食から玄米菜食に移行しても、渡辺先生のところには1週間に1回ぐらい通っていた。この頃になると、背中の硬結も肋骨の硬結と連動しているらしく、かなり溶けてきて、心臓が苦しくなることはなくなっていた。しかし、硬結を大量に溶かすと、筋肉のバランスが狂って、背骨が曲がり、自律神経がおかしくなってくる。そうなると硬結は固くなり、溶けにくくなる。この頃は、勁椎だとか腰は、怖くて触れなかったので、自律神経が失調した状態になりがちだった。ところが渡辺先生のところへ行くと、たちまち自律神経が回復し、硬結は柔らかくなって、溶け始めるのだった。

 

●6.肋骨が横に広がる●

 腰の部分の硬結が、溶けると胸部が緩んできて、肋骨の硬結は溶けやすくなったが、2、3日で限界に達し、それ以上肋骨も開かないし、硬結も溶けない手詰まり状態になっていた。試みに、上向きに寝た状態で、左手を肋骨の胸の中心部に近いところにおき、右手を背中に回して、肋骨に触り、胸から背中に気を流すような感じで、両手を上にずらすと、触った肋骨が横に開いた。左右同じことをやると、上半身が一回り大きくなったようだった。私はこれで肋骨の問題は解決したと思った。

 しかし翌朝起きてみると、自律神経が失調した状態になっていた。寝ている間に、溶けていた硬結が固くなり、肋骨が元の状態に戻ろうとしたが、肋骨の周りの硬結の表面がでこぼこしているので、元の状態にはもどれず、その結果胸椎が動いて、背骨が曲がってしまったせいらしかった。渡辺先生のところに行くと、自律神経の状態はかなりよくなるのだが、完全に良くはならなかった。

 この状態は2週間ほど続いた。自律神経の調子がいいときは、肋骨の硬結は、赤ちゃんの筋肉のように柔らかくなっているので、太くなっている部分を直接マッサージして、肋骨を整え、背骨がまっすぐになるようにしようとするのだが、手の触れている部分が何とかなると、不思議なことに下から次から次へと硬結が沸き上がってきて、際限がない。そんな状態が2週間ほど続いたので、初心に戻り、肋骨のつぼをかすかに触るだけで、3対ほど処理してみた。

 翌朝起きると肋骨全体の感じが変わっていた。全体的に引き締まった感じで、少し固くなった感じなのだが、変化させたいところに手をあてると、思ったように変化する部分が多くなった。そのお陰で二日ほど調整すると、肋骨のために起こっていた自律神経の問題は解決した。しかし、肋骨にはまだたくさん硬結が残っていたし、5、6、7番の肋骨は胸の中央部に近いところが、癒着したようになっていた。

 

●7..勁椎をいじる●

 この頃になると、私は勁椎を調整するようになっていた。最初の頃は、渡辺先生に見てもらう前日に、モーションパラペーションの理論に従って、頭を右に倒したり、左に倒したりして、問題のある個所を探し、勁椎の一束や二束にあたる部分に、手をかすかにあてて、勁椎を動かしていた。勁椎の5、6、7番は触るとすぐ分かるのだが2、3、4番の勁椎がどこにあるのかよく分からなかった。

 渡辺先生にお伺いすると、「2、3番の勁椎が陥没している。昔、喉の側から強制的に押し戻すということをやっていたが、あまりいい結果がでないので、現在はそのままにしている。だんだん良くなって来ると思いますよ」と言うことだった。また「勁椎を触るのはいいが、2、3番の勁椎を押し込んだりしないように」と釘を刺されてしまった。「枕をして仰向けになった状態だったらどうですか」聞いたら、「それなら大丈夫でしょう」とのことだった。

 

●8.見違える程よくなる●

 1週間して、次の治療日の前日、枕をして、あおむけになった状態で、勁椎を1番から7番まで動かしてみた。1番は頭の中だし、2、3、4は位置がはっきりしないので、勘でやるしかなかった。勁椎は胸椎の11、12番と腰椎に対応しているので、腰椎をチェックすれば間接的に勁椎の動きを知ることができた。

 今回は前回とは発想を変えて、勁椎を右いっぱいから左いっぱいまでそれぞれ動かし、首周りの硬結を取ろうと試みた。そうすれば、陥没した2、3番の勁椎が正常の位置に戻るのではないかと考えたからだ。残念ながら、2、3番は陥没したままだった。
不思議なことに腰椎の周りの筋肉が溶けて熱くなっていた。

 翌日、渡辺先生に見てもらうと「勁椎と腰の状態が見違える程よくなっています」 とのことだった。

 

●9.カラオケの発声と姿勢●

 玄米菜食を始めて一ヶ月も経つと、肋骨には硬結がかなり残っていて、癒着している肋骨もまだあったが、一種の膠着した安定状態になってしまった。胃腸の状態もとても良く、悪い症状は何もないので、普通の人ならここで満足してしまうと思うのだが、私は二つの理由からこの膠着した状態を打ち破ろうとした。

 一つは硬結がまだ残っていること、もう一つは3年前からやっているカラオケの発声が、私の求めるレベルまで達していないことだった。発声と姿勢の関係に気が付いたのは、玄徳院に通っている時、体が変化して姿勢がよくなると発声がよくなった。

 渡辺先生のところに通っている時にも同じことが起こり、私の発声は次第によくなってきた。歌手はみんな姿勢がよい。

 

●10.発声と自律神経●

 発声はまた自律神経と関連があり、 特に肺経に問題があると声が出なくなってしまう。反対に声がでないときは、肺経が詰まっているので、これをつぼを押すして解放してやれば、即座に声がでるようになる。横隔膜が緊張しているときも声がでない。

 逆に自分に近い体型の人が、もっとよい声で歌っていれば、姿勢か自律神経のどこかにまだ問題が残っていることになる。

 カラオケはマイクを通して声を大きくするので、聴診器で心音を聞くような効果があり、自分で気がつかない問題を発見することができる。

 

●11.手の硬結を緩める●

 私は二つの事実に気が付いていた。一つは、前回心臓が苦しくなったとき、肺経を緩めれば、肋骨もゆるむこと、もう一つは体中に硬結があり、手の指の関節の回りや手の甲の、普通の人が骨だと思うところが、実は硬結であるということだった。

 そこでもっとも緩みやすい手首から始めて、指一本一本の関節の周りの硬結まで丹念に緩めてみた。この効果は絶大で、硬結はほんのわずかしか溶けていないのに、肋骨は大きく緩み、癒着していた肋骨も溶けて分離するものが現れてきた。同時に頭の硬結も溶け出した。   

 私はこれで硬結の問題は全て解決すると思ったが、同じことを2、3回繰り返すと再び膠着状態になってしまった。

 

●12.足の硬結を緩める●

 この頃になると、足の不快感が強くなってきていた。今までの経過から考えて、この膠着状態を打ち破るには、まだいじっていない足しか考えられなかった。

 まず有名な三里や三陰交や足首回りなど大きなところから動かしてみた。そして足の甲や足の裏、指の一本一本も緩めた。足首から先は硬結だらけであり、膝の周りには巨大な硬結があることも分かった。今まで全く気が付かなかったのが不思議なくらいだった。私は胃弱なので、胃経のつぼを特に丹念に動かした。すると腰が緩み、肋骨も緩んできた。

 

●13.再びカテゴリー・ツー●

 翌朝、私は左手で、左膝の裏にある委陽というつぼに触りながら、運転していた。すると突然、左腰がボンと膨らむような感じで変化した。左右対称にならないといけないと思って、右手で右足の委陽に触りながら、運転した。左よりは時間がかかったが、右腰も同じように変化した。

 その晩、家で肋骨に触ると、硬結は面白いように溶けたが、溶けても溶けても硬結は溶け切らないで、残っていた。

 2、3日して渡辺先生に見てもらうと、カテゴリー・ツーになっていた。硬結の絶対量が少なくなって、体が柔らかくなると、カテゴリー・ツーになっても、以前ほど不快感がないので、本人は気が付かなかった。

 

●14..腰の硬結を取る●

 私は始めてカテゴリー・ツーになったとき、腰の周りにつぼが散在していて、それに触れる度にあるいは何かがそのつぼに触れる度に仙骨が動き、それに連動して背骨が動いて困ったことがあった。それ以後、腰にはできるだけ触らないようにしてきた。しかし、硬結の絶対量が少なくなるに従い、腰に触っても背骨が動いて困るということはなくなってきた。  

 しかし今回カテゴリー・ツーを治療してもらっている間に「腰部の硬結を取れば、もうカテゴリー・ツーやワンにならない」と言う確信が沸き上がってきた。カテゴリー・ワンやツーは、仙腸関節のずれによって起こるのだが、腰の周りが柔らかい筋肉で覆われ、大きな硬結がないならば、仙腸関節はずれようがないからだ。

 その晩、改めて腰部の硬結を溶かせるだけ溶かしてみた。今まで手を入れなかったところなので、硬結は大量に溶け、それに対応して頭の硬結も溶けた。この作業をしていて気付いたのは、「足にはまだ硬結がたくさん残っていて、それを取らない限り、腰部の硬結は取り切れない」ということだった。

 しかし、この効果は絶大で、渡辺先生が驚くほど腰の状態はよくなった。もうカテゴリー・ワンやツーにはならないと確信していた。

 

●15.若返りは可能か●

 腰の硬結を取ると、肋骨の硬結はまた緩んできて、さらに減らすことはできたが、やはり、まだ、大量に残っていた。

 渡辺先生は「肋骨に硬結があるといっても、肋骨は皆柔らかくなっていて、可動性があるので、標準的な日本人よりはるかによい状態にある」と言っていた。

 この頃になると、健康状態は大変良く、真夏に子供たちと海に行っても疲れを知らなくなっていた。だから私の関心は「硬結を極限的に取ることによって、視力は回復するか、内蔵を活性化することによってどのくらい若返るか」に変わってきていた。

 

●16.ナチュレ卒業●

 ナチュレの渡辺先生に診てもらうようになってから1年もたつと、カテゴリー・ツーの診断法から始まって、彼が使う治療技術は、ほとんど習得していた。また、自分自身で開発した治療法で、中耳炎の手術後MRSAになった英会話の生徒やアトピーで悩んでいたバイトの高校生を治すこともできるようになっていた。

 しかし、自分自身に問題が起きると、自分ではどうにもならず、渡辺先生にお願いするしか方法はなかった。
自己治療というのは、当時の私だけではなく、どんな治療家にも難しいことらしく、例えば、渡辺先生でさえ、「首に問題が生じると、夜中にバイクを飛ばして、兄弟弟子の所に行く」しかなかった。

 なぜ自己治療が難しいかというと、@自分自身を診断するとき、他人を見るように自分自身を観察することができないA自分自身を治療しようとするとき、手が届かないところがあったり、届いても他人を操作するようには自分自身の体を自由に操作することができないためだ。

 ところが、突然自己治療が可能になった。

 自分が不快感を感じる程度まで壊れてしまっているときは、@いつも腰がゆがんでいること、Aそしてこの部分が体で最も大きな部分であることに気がついた。Bだからこの部分のゆがみを治せば、他の部分は簡単に調整できるのではないかと思った。

 操体法を応用した方法で腰を治療し、緊張している側の手足の硬結を緩めると、思ったとおり体に気が流れるようになった。1ヶ月もすると、手足を調整する技術が向上し、渡辺先生に見てもらう必要がなくなってしまった。ナチュレ卒業である。

 脈診ができるようになって、正確な診断が行えるようになるまで、この治療法は、私にとって、欠かせないものとなった。

 

 

 

 

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