まえがき
気の流れが分り、自分自身を治療できるようになって、しばらくしてから、
左手、特に手首に気を流すことができないことに気がつきました。
不思議に思って、母に「僕が覚えてないような小さいとき、手首を骨折したことはないか」と聞くと、
「そんなことは絶対ありません」という答えが返ってきました。
しかし、手首だけ気が流れないということは、普通ありえないから、必ず何かやっているはずだ」
と言うと、「そう言えば、お父さんが、手を持って振り回しながら、あやしているとき、
手首が抜けて、柔道整復師の所に行って、治してもらった事があります。
一歳になるかならないときだった。」という返事が返ってきました。
そこで、気の流れない左手首を、毎日毎日治療すると、体が変化し始め、
老化が進んで気力も体力もなくなった体が、どんどん元気になっていくのが分りました。
以後慢性痛、慢性病で何年も悩んでいる人を治療してみると、ほとんど全員、捻挫、
突き指、骨折、ムチウチなどのけがをしている事がわかりました。
そしてその部分を治療すると、体がどんどん変わっていくのです。
慢性痛や慢性病がおこるのに、二つのパターンがあります。
けがをして
@半年から一年たったときに、問題が起こるものと、
A年齢が上がって、体力が落ちたとき、問題が起こるもの、
です。
後者は問題が起きる時期が三つのタイプに分れ、
(a)体が弱い人は三十歳前後で、
(b)普通の人は五十歳前後で、
(c)強い人は七十歳前後で、
問題が出る傾向があります。
私の場合は、二歳のとき、急性肺炎を病んで死にかけ、二十代後半で、
慢性疲労症候群と過度の食欲不振に悩まされ、四十代に入ると、足に問題が起こりました。
捻挫や骨折をすると痛みが取れても、硬結(筋肉の硬くなったもの)が残り、
そのため半年から一年で体が歪み、内臓の下垂が起こります。
このとき、腰の弱い人は腰痛が、胃の弱い人は胃潰瘍というように、弱い部分に問題が出ます。
若くて内臓が強いときには、なんの問題も起こらないことが多いのですが、年を取り、
内臓や筋肉の力が低下すると、忘れてしまっていたけがが、慢性痛や慢性病を起こします。
環境汚染や高齢化社会が進むにつれ、人々の体力が落ちてきて、若い人から年取った人まで、
慢性痛や慢性病で悩む人が増えています。
またその人達の中には、大学病院に行ったり、整体や鍼など、ありとあらゆることを試したが、
良くならないという人も、少なくありません。
そういう人達に、「あきらめないでください。まだこんな方法があります。」と伝えるために、
この小冊子を書きました。
1999年6月
渡辺昇一