冷房病
[冷え性の治療]
都内から八王子まで1年間ほど通ってきてくれた患者さんがいた。
年齢は50歳になるかならないか女性で、「夏でもホカロンがないと寝られないくらいの冷え性ですが、治りますか」と最初の問い合わせがあった。
「冷え性の治療は得意です。冬になるとお風呂に入っても足が暖まらないという人も診たことがありますが、低血圧と冷え性が同時に治っています。」と答えると、「お友達の女性も良くなっているようなのでお願いします。」と言うことになった。
[経過]
治療は8月の始め頃始まったが、10月になって、「去年とは全く違います。去年は今頃になるとコタツを出さないと寒くてどうにもならなかったのですが、今年は大丈夫です。」
[次々治る症状]
この女性は、自律心経失調症のかたまりみたいな人で、肩こり、腰痛、膝痛、花粉症など色々問題があったが、次から次へと治って行き、翌年の7月には毎年大学病院で切っていた膣のポリープまで治ってしまった。
そして約1年が経過した頃、「実は極度の冷房病で、八王子に来るとき乗ってくる電車の冷房で困っています。夏場は冷房の効いたデパートなどにはなるべく行かないようにし、会社の会議などの時はセーターを着込こんで... 何とかならないでしょうか」
[冷房病治療]
冷房病というのは、「肺経に属する肌が寒さで縮むと、肺の機能が低下し、連動して腎の機能が低下し、臍を中心にお腹が縮んで起こる」と考えられるので、手の肺経と胸部、足の脾経を治療した。
脾経に問題が起こると、肋骨の間隔が縮まり、ときには肋骨が癒着したような状態になって、肺の機能を低下させてしまう。
とくにこの女性の場合、親指が外反母趾状になっていたので、脾経に問題があるのは明らかだった。
[二度目の治療]
<経過>「
治療の効果は出ていますか」と効くと、「まだ1回しかやってないせいだと思うのですが、電車に乗ったらすぐ苦しくなって...」
「そんなにすぐ変化が起こるんですか。」
<冷房をかけてみる>
その場で、冷房をかけてみると、1,2分でお腹が急激に縮み出した。その激しい変化に「これは何だ!!」とびっくりしてしまった。
胸部も同時に硬くなっていた。
<心臓だ>
過去に治療した、わけのわからない発作性の難病は、すべて心臓が関係していたので「これは心臓だ」と直感した。
「心臓の可動域がわずかに縮小すると、瞬時に脾経が虚し、足から発する腎経、肝経、胃経、胆経、膀胱経が締め上げられ、連動して手から出ている経絡もすべてダウンし、内臓の機能が瞬時に低下する。
すると心臓にかかる負担が一挙に軽減され、心臓は守られる。」これは心臓防御反応と呼ぶべき現象で、反応の軽いものは、風邪を引いただけでも起こるが、今回のように激しい反応は、過去に捻挫や骨折などをして、体がねじれ、心臓の可動域が大きく狭められている人に限られる。
<仮説>
冷房病は、
@皮膚が冷気にさらされて、硬くなると肺の機能が低下する、
Aこの女性のように、胸部が元々萎縮している人は、肺の機能が低下したときに起こる、腎経の低下が激しい(腎経は胸の中心線の両側を走っているので)
B連動して肝経が虚す(経絡の法則)C心臓が連動して虚す(経絡の法則)
D脾経が連動して虚す(経絡の法則)
E連動して再び肺経が虚し
F「肺経→腎経→肝経→心経→脾経→肺経」のループが完成し、スパイラル的に内臓が萎縮し、機能が低下して行く。
<治療>
@手の小指から発する心経上の硬結を緩める
A手の中指から発する心包上の硬結を緩める
B肋骨の可動性に問題を起こしている硬結を緩める
C心兪を緩める
D心臓の可動域を制限している背部の硬結を緩める
を基本に心臓の治療を行った。
<結果>
翌週来たときには、電車の冷房があまり苦にならない程度まで改善した。
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