自律神経失調症
西洋医学的治療法と東洋医学的治療法の長短
[自律神経失調症とは]
@自律神経失調症は正式な病名ではありません。
A病院で検査をしても、原因が分からない症状、例えば、「疲れやすい、だるい、手足が冷える、胃に不快感がある、めまいがする、手足が冷える、動悸がする」などの不定愁訴があると、自律神経失調症と言われることが多いです。
Bここでは、病院の検査では、内臓の機能が正常だが、脈診などの東洋医学的な診断法では、内臓の機能低下が明らかに原因となるものを、自律神経失調症と呼びます。
C不定愁訴、花粉症、気管支瑞息、接触性のアレルギー皮膚炎、アトピー、原因不明の湿疹、高血圧、低血圧、糖尿病、眼精疲労、白内障、心臓神経症、狭心症、不整脈、鬱病、過換気症候群、パニック障害、多汗症、対人恐怖症、強迫神経症、赤面症、原因不明の手足の痺れ、拒食症、過食症などが東洋医学的観点から見た自律神経失調症になります。
[現代医学]
@上記のような疾病は、症状に応じて、心療内科、精神科、内科、皮膚科、眼科、整形外科など、適切な科で専門医により治療されます。
A治療法としては、投薬や手術、心理療法などがあります。
B長所:
(1)MRIや血液検査などの科学的な検査法で、原因が分かるものと、分からないものを明確に分けることができます。
(2)保険が利きます。
(3)医師間の治療技術差が比較的少ないです。
C短所:
(1)医学的に正常な内臓の機能低下で起こる疾病に対しては、投薬などで症状を抑える対症療法になることが多いです。また、機能低下した内臓の機能を上げる技術がありません。
[整体、カイロプラクティク]
@整体やカイロプラクティクは関節の可動性を診断し、可動域が制限されている場合、制限を取り除き、可動性を上げることによって治療します。
A関節の可動性は内臓の可動性と関係しているので、可動域を広げることによって、不定愁訴が改善されることがあります。
B長所:
(1)交通事故やスキーの転倒などで、関節が大きくねじれた場合、漢方や鍼灸の治療では十分な変化を与えられないことが多いですが、機能回復に必要な変化を起こすことができる場合があります。
(2)西洋医学では、原因不明の疾病を、鍼灸に比べると、比較的短時間で治療ができることがあります。
C短所:
(1)自律神経失調症の原因となる内臓の機能低下を診断する方法がないため、問題がある関節を治療したとき、内臓の機能低下によって起こる疾病が治るかどうかは、やってみないと分からないという問題があります。
(2)内臓機能を上げるための、体系的な治療理論や診断技術がありません。
(3)治療技術の差が大きく、治療を受けてみないと、効果があるかどうか分からないことが多いです。
(4)特に、頸椎の治療は、特殊な感覚を必要とするため、適切な治療ができる人が少なく、頸椎治療を受けたために症状が悪化するケースがあります。整体院選びは、慎重にする必要があります。
[漢方]
@漢方では、西洋医学と違い、四診(望診、聞診、問診、切診)によって診断し、その結果(証)に基づいて、漢方薬を処方します。
A長所:
(1)患者の体質、体型、症状などから、患者に適した薬を見つけるための理論と数千年の歴史に基づくデータがあります。
(2)四診(望診、聞診、問診、切診)に基づいて、患者の体質に合った漢方薬を処方できます。
(3)化学薬品に比べて、副作用が少ない場合が多いです。
B短所:
(1)脈診や舌診などの診断技術をマスターしていないと適切な処方ができないが、習得が難しいため、漢方薬を処方する人が、診断技術をマスターしているとは限らないという問題があります。(処方された漢方薬がおいしく感じられなければ、診断技術をマスターしていないと考えた方が無難です。)
(2)効くか効かないかわからず、長期間にわたって飲み続けなければならないことが多いです。(3ヶ月飲んで、効かなければ、効かない可能性が高いです。)
(3)交通事故やスキーの転倒などが原因で不定愁訴が現れた場合、漢方薬では対処できない場合が多いです。
[鍼灸]
@脈診を習得した鍼灸師は、不定愁訴の原因が、どの経絡にあるか特定し、問題がある経絡を治療します。
例えば、「胃が痛い」と言う人は、胃経に問題が生じています。胃経を治療後、もう一度脈を診て、変化がなければ、治療が間違っていたことが分かります。脈が正常になっていれば、痛みは改善しています。
A長所:
(1)脈診で問題がわかる病状に対しては、効果のある治療をすることができます。
(2)脈診をマスターしていれば、治療直後に効果を確認できるので、治療に確実性があります。
B短所:
(1)脈診ができるという鍼灸師は多いですが、脈診をマスターした鍼灸家は少ないです。
(2)治療点であるツボの正確な位置が分かる人が極めて少なく、症状が3日で戻る場合が多いです。
(3)交通事故やスキーの転倒などで、関節が大きくねじれた場合には、元に戻すのが難しい。
[気功整体根治療術]
鍼灸の理論を研究し、内臓や器官、組織の可動性の理論から経絡の理論を再構築し、発展させたのが特徴です。
《基本的な考え方》
(1)内臓の機能低下が、内臓の可動性の低下によって起こる。
(2)内臓の可動性は、その内臓が属する経絡に支配される、筋肉や骨、皮膚、関節などの可動性と連動している。
(3)体に怪我をして、筋肉や骨、皮膚などの可動性が低下すると、内臓の機能低下が起こり、自律神経失調症の原因となる。
(4)脈診などで、問題が生じている経絡を特定し、経絡上の不可動な筋肉や骨、皮膚などを緩めて、可動性のある正常な状態に戻すことで、内臓の機能を正常な状態に戻す。
A長所:
(1)脈診や気の同期による経絡診断などにより、問題を起こしている臓器と、その原因となる不可動な筋肉、皮膚、骨、関節などを特定して、治療することができます。
(2)原因を取り除くので、再度の怪我や加齢による大きな内臓の機能低下が起こらない限り、再発しません。
(3)治療直後に、治療師が脈診や気の同期による経絡診断などにより、効果を確認できます。
B短所:
(1)細菌やウイルスが原因で起こるものは、内臓の機能を上げることで治すので、西洋医学のように、短期間で治すことができません。
(2)硬結を溶かして、体型を元に戻す治療法なので、手術をしていると元に戻らないという治療限界があります。症状は改善するが、再発することが多いです。
(3)脳梗塞、心筋梗塞など筋肉や組織が壊死したものは、治せません。
(4)肺炎、腎炎、肝炎などをした人は、筋繊維が癒着しあっているため、長期間の治療が必要になります。
(5)70歳をすぎると、内臓機能の衰えが激しくなるので、完治しきれない場合が多くなります。
(6)現在この治療は、私(渡辺)と、ツボの位置が正確に分かる鍼灸師しかできません。
[その他の治療法]
@頭蓋仙骨治療法、内臓マニュピレーションやモーションパルペーションをマスターしたオステオパシーの上級レベルの治療師は、一般のカイロや整体の治療師より、技術レベルが高いことが多いです。
A東洋医学系の治療家の中には、顎関節やや頚椎、仙骨など特定の部門を専門に治療される方がいます。
そういう治療は特定のタイプの自律神経失調症に有効ですが、体の一部を治すことですべての自律神経失調症が治すのは、原理的に不可能と思われます。
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