42.腎の働き
生命力、すなわち気の源泉は、心臓を初めとする内臓の自動運動です。
骨や筋肉には、この運動に連動する波動が生じています。
これが気の正体です。特定の臓器が特定の筋肉や骨と連動して動いています。
例えば、胃は胃経の支配する骨や筋肉と連動して動いています。
目がさめて、交感神経が働き出し、内臓が活性化すると、それに対応して気の流れがよくなり、筋肉は柔らかくなって、関節は、周りが緩んで、回旋し、開いていきます。
反対に、夜眠ると、内臓は不活発になり、体は縮んで、閉じて行きます。
人の体は、一日中、絶えず、この伸び縮みの運動をしています。この伸び縮みの運動を制御しているのが腎です。
例えば、捻挫等で体に歪みが生じ、肋骨部分の気の流れが悪くなると、心包経が虚して、心経が虚します。
すると、脾経、肺経、腎経の順に虚し、腎は肝臓を従えて、筋肉を萎縮させ、体全体が縮みます。この過程がスムーズに行けば、体が縮小均衡し、内臓の機能は低下しますが、体力が若干低下するくらいで、問題は起りません。
体は、縮小均衡したまま、先ほどの伸び縮みの運動を繰り返すことになります。
年を取るにしたがって、腎機能は低下して行きます。腎機能が低下すると体が萎縮し、内蔵機能が低下して、老化が進んで行きます。
若い人でも、けがなどが原因で、腎が虚し、自律神経失調症になることがあります。
お腹は硬くなってペッタンコになり、指は、筋肉が硬くなって縮んでしまうので、節くれだってしまいます。内臓が強くて、足に問題がある人は、逆に太ることもあります。
一見、丈夫そうに見えますが、体には気が流れず、筋肉は硬く、お腹はパンパンになっていて、慢性肩凝りや自律神経失調症に悩んでいるのがこのタイプのです。
体力がある分、無理をすることになるので、五十歳を過ぎると、心筋梗塞、脳卒中、突然死など、思わぬ不幸に襲われることになります。
腎には、春夏秋冬、昼夜などの外的環境や、けが、病気などの内的環境の変化に応じて、体の恒常性を保ちながら体を変化させるという機能、言いかえれば、気の流れを保とうとする機能があります。
腎に問題が生じると、全身の気の流れがおかしくなり、現代医学では、解明できない病気になることが少なくありません。