7.整体の治療理論と鍼灸の脈診法

前述の例のように、慢性痛や慢性病のほとんどは、突き指、捻挫、骨折、鞭打ちなどが原因で、体が歪むことによって起こっています。

この原因を突き止めるには、カイロプラクティクやオステオパシーなどの整体系の理論と脈診や経絡治療に代表される鍼灸の理論を理解する必要があります。

体の歪みや関節の可動性をマクロ的に捉え、治療するのは、整体やカイロ、オステオパシーの得意とするところです。

上級レベルに達すれば頚椎の歪みや、腰の問題は簡単にチェックできます。

脈診ができれば、全身をめぐる十二の経絡のどこに問題があるのか、簡単に分かります。

この患者の場合、三焦経に問題があることを突き止めるのは、簡単ですが、「薬指に問題がある」ことを発見するには、三焦経を触診して「気の流れが止まっている」部分を探し出さなければなりません。

鍼灸の治療や整体の治療で、薬指だけを三十分治療することはありません。

確信を持って薬指を三十分治療するには、薬指を触ったとき「気が死んだようになっている」ことが分からなければなりません。

「薬指の気が止まると、頭蓋骨がロックする」のが分かるには、@薬指に触ったときに、気が止まっていることA頭蓋骨に触ったとき、後頭部がロックしていること、B薬指から伸びている三焦経が後頭部に達していることが分らなくてはなりません。

また薬指を治療したときにC指に気が流れたこと、D後頭部に変化がおこったことが、触って分らなければなりません。

「触って分かる」というのは、整体や鍼灸において最も重要な技術で、治療家は「触って分る所まで」しか治療できません。

これが分からない人は、脈診ができても、本治法のようなマニュアルどおりの治療法をするしかありません。

「後頭部がロックする」というのは、整体系の捉え方ですが、「触って分かりさえすれば、」整体系の技術であろうと脈診の理論であろうと、瞬く間にマスターすることができます。

自分の体を治療して、その変化を見れば、鍼灸の古典やオステオパシーの理論の意味することが、紛れもない事実として理解できるからです。

また、「触って気の流れが分かれば、」両方を統一した理論を作ることも不可能ではありません。

整体系の「可動性の理論」も鍼灸の「脈診の理論」も同じ体の問題を異なった観点から見たものだからです。


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