14.手技と自然回復力@

按摩、マッサージ、カイロプラクティク、オステオパシー、操体法などの、器具を使わない、手で行う治療方法を「手技」と呼びます。

根治療術で使われる手技は、按摩やマッサージのように「揉んで柔らかくする」技術ではありません。また、古典的なカイロプラクティクのように、「関節に強い力(スラスト)を加える」こともしません。

根治療術における手技は、筋肉や関節に直接力を加えて治すのではなく、脈診と気に基づいた正確な技術で、確実に患者の自然回復力を引き出すためのものです。

例えば、関節を治す場合には、関節を「動かしやすい方に」あるいは「気持ちよく動かせる方に」動かし、数十秒待って、「関節に気がながれ、自然に可動域が回復するのを待つ」のが基本です。

五十代の女性の例ですが、「眠れない頭が痛い目まいがする肩が凝る腰が痛いむくみがある」などいわゆる自律神経失調症の典型的な症状を訴えてきました。

脈を診ると、足の小指から出ている、膀胱経と腎経に問題があるのですが、不思議なことに、足には捻挫などによる硬結は見られませんでした。

二十年ほど前に、交通事故に巻き込まれ、ムチウチになったことがあるというので、首を左右に軽く動かしてみると、右旋回にはっきりした制限が見られました。

また、頭蓋骨にも問題が感じられました。そこで、首を回しやすい方向、左側にそっと旋回させて、頚椎が復元するのを待ちました。

頚椎が壊れていると、頭蓋骨、肩、肘、手首の関節が連動して壊れてしまうので、これも同ように直してから、三分ほど足踏みをしてもらいました。そのとき、「あなたの問題はすべて二十年前のムチウチが原因で起きています。」と説明すると、「いいえ、首に問題はありません」という答えが返ってきました。

「どうしてですか」と尋ねると、「首は、有名な整体の先生に完全に治していただきました。それ以来、首に問題を感じたことはありません。」ときっぱりとした答えが返ってきました。

そこで「私が触ると、首にも頭にも大きな問題が残っています。

そのために、腰が歪み、膀胱経と腎経に問題が生じています。

膀胱経は背中を流れ、腎経はお腹の側を流れ、子宮をサンドイッチにしているので、婦人科系の問題が生じることが多く、喉が弱い人は、腎経が虚した(弱った)ために、甲状腺に問題が起きることさえあります」と言うと、「そう言えば、交通事故を起こして、一年ぐらいしてから、子宮筋腫になり、甲状腺がおかしくなって、今でも薬を飲んでいます。だけど、首には問題がありません。」とまたきっぱりとした答えが返って来ました。


NEXT MENU TOP