7.中神先生
3月19日の金曜日に携帯に、「八十二銀行で絵を展示していた中神ですが、展示が終わりましたので・・・」というような電話があり、翌週の月曜日の朝、御陵の入り口近にある御自宅に伺うことになった。
車で中神邸に伺うと、塀の外に出て、出迎えてくれていた。玄関を入って、右側のシックで趣味の良い応接室兼ダイニングルームに通された。「絵は哲学です。」「僕も哲学は高校生時代からやってまして・・・」のような会話に突然なり、「どのような哲学を・・・」と聞かれるので、「カントやデカルトなどから始まって、イギリスのバートランドラッセル卿の影響を受け、最後は、道元の正法眼蔵をやりました。」と答えると、「最近友達から空が分からないと言われ・・・」と真言密教の仏教哲学に近い宇宙論を展開された。このときから、中神さんの仏教哲学の深さに敬意を表し、中神先生と呼ばせてもらうことにした。
「空」については、明確な持論があったが、初対面の人と空について議論をしてもと思い、中神先生のお話をひたすら伺うことにした。先生は、スイスに山小屋を借りて、自炊しながら、瞑想したり、絵を描いたりすることがあり、あるとき瞑想中にチャクラが開いたと言われた。チャクラはブルーで、そのブルーを見つめると、その奥に空の青さと海の青さが見えてくる。空海はチャクラが開いていたのだと思うというようなお話があった。
絵を頂いて、帰ろうとしたら、「渡辺さん、後5分ほど待ってください。家の中にアトリエがありますので、ちょっと寄って行ってください。」