13.病脈と怪我

60代の喘息の患者を診ていたとき、肺経の出ている右手の親指を治療すると発作が止まった。聞いてみると、15年ほど前、ボーリングをしていたとき、ボールが指から離れず、骨折したと言う。

私も左手の手首に気が流れていなかったので、記憶にない2,3才の頃、手首を骨折しているのではないかと思い、母に聞いてみた。「手首を骨折したなどということは絶対ない」と言う。「何もしないで、左手首だけ気が流れないと言うことは考えられない。絶対何かしているはずだ。」と言うと、「そう言えば、お父さんが手首を持って、振り回しながら、あやしているとき、手首が抜けて、小野さんのところに連れていって、はめてもらったことがあった。あの頃は、お父さんも軍隊から帰ったところで、乱暴だったから・・・」

他の患者も同じように、怪我が原因じゃあないかと思って、聞いてみると、怪我をしているケースが多く、そこを治療すると、どんどん良くなった。「怪我をしたことがない」と言う人でも、硬結ができている場所をさして、「ここはどうしたんですか」と聞くと、「そう言えば、昔転んだとき・・・」のように、昔した怪我を思い出す場合が少なくなかった。

治療する患者の数が増えるにしたがって「病脈は、過去にした捻挫や骨折、つき指、打撲、火傷、切り傷、手術などの外傷が原因で起こる。外傷によってできた硬結を溶かせば、病気を根治させることが可能だ。」という気功整体根治療術の基本的な考え方がゆるぎない確信となっていった。



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